働き方の多様化やインターネットの普及などにより、近年「ノマド」という働き方が注目を集めています。
これまでも一部の方々の間でノマドな働き方は話題になっていましたが、政府主導で進められている「働き方改革」の影響もあり、一層注目を集めています。
今回は、ノマドの意味や、ノマドワーカーのメリット・デメリット、ノマドワーカーになるために必要なことついてご紹介します。
ノマド(nomad)とは「遊牧民」、「流浪者」という意味の言葉です。
近年では、遊牧民や流浪者のように「時間や場所に縛られないで働く」働き方を「ノマド」、「ノマドワーキング」などと呼ぶようになりました。
また、このような働き方をする人を「ノマドワーカー」と呼びます。
ノマドの具体例としては、カメラマンや記者のようにオフィス外で働く機会が多い職業や、パソコンが一台あれば仕事が完結するプログラマー、デザイナー、ライター、ブロガーなどがあります。
政府主導で進める「働き方改革」にも、ノマドと類似した意味を持つ「テレワーク」、「リモートワーク」といった項目が盛り込まれていることもあり、今後、更にノマドが浸透していくと言われています。
ノマドとフリーランスは混同されることも多いですが、どのような違いがあるのでしょうか。
フリーランスとは、自分自身で、さまざまなクライアントと契約を交わし、仕事を請け負って働く「契約形態」の一つで、ノマドは、時間にも場所にも縛られない「働き方」のことです。
つまり、フリーランス= “契約形態”、ノマド=“働き方”という違いがあります。
フリーランスでも、オフィスに常駐して働く人もいるので、フリーランス=ノマドワーカーとは限りません。
反対に、働く場所や時間が自由であれば、正社員や契約社員でもノマドワーカーという場合もあります。
引用:ランサーズ株式会社「新・フリーランス統計調査 2021-2022年版」
ノマドワーカーが現れた背景としては、働き方の多様化や新型コロナ感染症拡大、ネットワーク通信の整備による影響が考えられます。
ランサーズ株式会社の統計調査によると、2015年時点で937万人だったフリーランス人口は、感染症拡大後の2021年には1,577万人にまで増加しています。
2020年以降は、感染拡大防止対策として多くの企業がリモートワークを実施したうえ、副業解禁の企業も一気に増えました。
巷では、Wi-Fiや電源が無料で利用できる飲食店やシェアオフィス、コワーキングスペースも続々と誕生し、ノマドワーカーが働きやすい環境が整いました。
つまり、フレキシブルに働ける環境が整ったため、ノマドワーカーになる人が増えたのです。
ノマドの最大の魅力は、働く時間も場所も自由な点です。
ノマドワーカーには定時出社や残業という概念がないので、1日のスケジュールを自分で決めることができます。急な用事が入っても調整しやすく、ライフスタイルに合わせて働けます。
ノマドは仕事道具さえ揃っていれば、雰囲気のいいカフェや図書館など、自分の好きな環境で働くことができます。
リラックスできる環境は気分転換しやすくなり、アイディア創出に効果があります。
また、最も集中しやすい時間帯に合わせて働けるので、パフォーマンスの向上が期待できます。
さまざまな人が集まる職場では、人間関係の悩みを抱えているという人も多いでしょう。
ノマドワーカーは、自分の好きな場所で働くことができますので、会いたくない人に合わずに済み人間関係によるストレスが軽減されます。
満員電車は精神的にも体力的にも、負担がかかりますよね。
「通勤時間が片道1時間以上かかる」という人も多いのではないでしょうか。
ノマドワーカーは、長時間の運転や満員電車とは無縁のため、通勤ストレスが解消します。
また、通勤のために取られていた時間も有効に活用することができます。
ノマドワーカーは、時間や場所など自身でコントロールすることによって、仕事の生産性を高めることができます。特にフリーランスなどとして、働いているという方は大幅な収入アップにつながる可能性もあります。
ノマドワーカーはどこでも仕事ができる分、カフェなどの飲食店を利用すると、ドリンクや食事の費用が掛かります。
オフィスを持たないということは、飲食費や電気料金など、何かしらの場所代が発生します。
会社員のようにオフィスで働く場合は、周りの目があるため就業時間中は嫌でも仕事をしなければいけません。
しかし、ノマドワーカーとして働く場合、周りからのプレッシャーが何もないので、気が緩むとどうしてもサボりがちになってしまいます。
また、仕事に関するタスク管理やスケジュール管理はもちろん、経費の管理なども自分で行わなくてはならないので、自己管理能力が身についていなければ、仕事自体が上手く回らなくなってしまう可能性があります。
一般的に、ノマドで働く事ができる職種は成果報酬型の業務であることがほとんどです。
特にフリーランスの場合、頑張り次第で収入がアップする可能性はありますが、仕事量が少ないと当然、収入は下がります。
また、継続性のないスポット案件ばかりを手掛けていると、将来にわたって、収入が不安定になる可能性もあります。
会社員のノマドワークは別として、フリーランスのノマドワーカーは社会的信用度が低く、賃貸契約やローンなどの審査が通りにくいと言われています。
実績を積んでいくことで信用度もアップしていきますが、ノマドワーカーの初期は、特にこの傾向が顕著です。
ノマドワーカーの収入はスキル次第で変わります。
高いスキルを持っていれば高い報酬を得られますが、スキルが不足していると、仕事自体もらえない可能性があります。ノマドワーカーになるなら、収入に直結するような、平均よりも高いスキルを持っている必要があります。
先述のとおり、ノマドワーカーは自由な働き方ができる一方、自己管理能力が求められます。
仕事上のトラブルが信用問題に発展し、仕事の依頼が来なくなる可能性もあるので、自己管理能力の高い人はノマドワーカー向きと言えます。
「ただ待っているだけ」では仕事は発生しません。
特にフリーランスの場合、仕事を受注するには、積極的に自分を売り込む必要があるため、営業力のある人はノマドワーカーに向いています。
インターネットで世界中の人たちと繋がれる現在、英語などの語学力が高い人は、さまざまな人たちとコミュニケーションを取れます。その分、仕事のチャンスも増えるので、語学力の高さは大きなアドバンテージとなります。
個人のノマドワーカーは仕事の確認や交渉なども、すべて自分で行わなくてはなりません。
基本的に一人で仕事を行うため、その分責任も重くなります。
認識の違いがあってはトラブルの原因となるので、コミュニケーション能力の高さは重要なポイントです。
ノマドワーカーについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ライフスタイルに合わせて自由に働けるノマドワーカーは魅力的ですが、メリットばかりではありません。
デメリットをしっかり理解した上で、ノマドワーカーとして収入を得られるのか考えましょう。
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